空っぽな彼

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「凜。とりあえず、服脱いで」 すると凜は、シャツを掴んで横に引っ張った。 すると、その服は激しく破れた。 「……なんかマンガみたい」 上半身はすっぽんぽんだけど、下半身はちゃんと下着を履いてるみたい。 あとはお父さんの縦縞模様のおっさん臭さ満点のこのパジャマを着せるだけ。 でも、どうやって教えたらいいんだろう…… あら?いつの間にか着替えてる。 もしかしたら、ある程度の事は教えてもらってるのかな。 となると、必要最低限な事は分かってるのかな……いや、それは流石にないか。 お父さんがいたらもっと教えてくれると思うんだけどな…… ま、後は寝かせるだけか。 でも…… 「寝れるのかな……この人」 着替えたのはいいけど、なんだかまだまだ元気いっぱいな気がする…… 実際、今も壁に張り付いたまま登ろうとしてるし。 ぶん殴って寝させるしかないかな?まぁそんな事はしないけど。 「凜、寝る?」 私の声に反応した凜は、壁から離れた。 すると、凜はその場にくるまった。 ベッドが分かんないのかな……でもソファーは分かってたみたいだけど。 とりあえず、彼をベッドに乗せよう。
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