全てを失った君

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「………ッそっか…っ…」 僕は混乱している旭にそう言って笑った。 …大丈夫。 …だってこれはずっと前から覚悟していた事じゃないか。 むしろ、 旭が目覚めた事に喜ぶべきだろう…? 「ごめ、なさ…っ」 そう言う彼女はとても悲しそうだった その表情が、 どうしても"あの日"と重なってしまう… 『…ごめん…ごめんね、』 ああ、 また"あの日"の事が蘇る…… 泣きそうな顔をして僕に必死に謝る彼女。 ごめん、と確かに僕にそう言った彼女。でも…彼女はそれで幸せになれた………はずだった。 …なのに。 ………僕は昔の嫌な思い出を振り払うように彼女にこう言って笑った 「大丈夫だよ… 旭が生きていてくれればそれで構わないから。」―――と。 .
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