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男の子は私が寝ているベッドにゆっくりと近づいてくる
その顔には信じられない、と言うような表情が浮かんでいた
「あさ、ひ……旭ッ…!!!!!」
そしてその男の子は狂った様に"旭"と何回も私の目を見つめながら私の存在を確かめるように呼び続けた
で、も……
「…………だ…れ…?」
そう、名前が思いだせない。
やっと私の口から出た声は、
信じられないほど掠れていた
「旭ッ…、…そっか…っ」
私の言葉を聞いてその男の子はとても悲しそうな顔をして笑った
「ごめ、なさ…っ」
今にも泣きそうな男の子に精一杯の謝罪をする
すると男の子は、
辛そうな、でも何故か幸せそうな顔をした
「大丈夫だよ…
旭が生きていてくれればそれで構わないから…」
「…あさ、ひ?」
「そう、
これが君の名前なんだよ」
男の子はクス、と笑った
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