狼と海《前編》

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ある夏休みの日のことだった。 暇だった俺は部屋で漫画を読んでいて、信也はこの間の誕生日に心優にもらったというCDを聴いていた。 (詳しくは後の信也の誕生日編をお楽しみに!) 俺は何度聴かされたかわからない音楽を黙って聴いていた。 心優は実家に帰っているため、あいつらも暇らしい。 現に俺も、暇なのだけど。 そんなときだった。 ―――バンッ 突然のドアの開く音。 と同時に聞こえる騒がしい足音。 『やっほーっ! 聞いてよ2人とも!』 結城と秀が、嬉々とした表情で俺たちの前に仁王立ちした。 昨日まであんなじめじめしてたのに、今日は珍しく元気な2人に 『っるせえな。 静かにしやがれ、チビ共が。』 CDを聴いていた信也がキレた。 いや確かに、信也は長身だけど。 170cmの俺より、5cm高いけど。 そんなこと言ったらまた、結城が―――。 『俺の話聞いたら、そんな口聞いてられないよーん!』 ニカッと微笑む結城と、結城の持っている携帯を見つめる秀。 秀は物欲しそうな目で携帯を見つめている。 何があったんだ? 「なんだよ、一体?」 .
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