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僕はポシェットの中の緑の巻物を取り出しながら開く。
そうすると、巻物から煙が出る。煙の中には…
大手裏剣━虎爪(こそう)
僕の身長と同じくらいの大きさで、十字の形に黒い鉄の刃があり、その真ん中には、人の腕が軽く入ってしまう程度の穴が空いている。
その穴に右手の親指以外の四本の指を通し、その四本指と親指でコイツを挟んで、片手だけで持つ。
この作業を一瞬で行った。
「行くよ、『虎爪』」
僕は『虎爪』を下から上に振り、飛んできた炎の塊を真っ二つに切り裂いた。
レオがポケットに手を突っ込みながら、ゆっくり地上に降り、真面目な顔をして口を開いた。
「珍しいもん持ってんじゃねぇか。それ、『手裏剣』っていうんだろ?」
「…え?」
レオが手裏剣を知ってることに驚いた。
手裏剣は日本にしかないはずなのに…
「何で知ってるの?」
レオは一度、鼻で笑ってから答えた。
「俺に一撃与えたら教えてやるよ」
自信満々な言い方だ。
「一撃でいいんだね?」
僕はこの時、真剣な表情をしていると思う。
「あぁ。制限時間は陽が暮れるまで」
太陽はまだ真上。
「戦闘再開っ」
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