-扉を抜けてー

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 アリスはチェシャ猫に抱き上げられながら、扉を通る。  ドボン!  凄い水音がして、アリスは視界が一瞬揺れる。 「大丈夫だよ。アリス。」  チェシャ猫の声がして、チェシャ猫を見る。  チェシャ猫は全身ずぶ濡れになっていた。  足は池の中に浸かり、水はチェシャ猫の太ももの真ん中まであった。  もしアリスが同じように見ずに浸かっていたら、胸まではありそうなほどの深さだった。 「濡れてるけど大丈夫? 私降りるわよ。」  チェシャ猫の肩から、動いて降りようとすると、 「これは、白ウサギが流した涙だよ。アリス。触ったら危ないよ。」  その言葉にアリスの動きがピタリと止まる。 .
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