-扉を抜けてー

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「危ない?」  アリスは聞き返す。 「そうだよ。アリスと離れたことで、白ウサギは悲しんでるんだ。流れが速いから、流されちゃうよ。」  流されると聞いて、チェシャ猫の頭にしがみついた。  しがみついたアリスの背中を支えながら、チェシャ猫は楽しそうに笑う。 「素直だね。アリス。」  笑われた事に頬を膨らませ、チェシャ猫の頭をぐしゃぐしゃにする。 「前が見えなくなっちゃうよ。アリス。」  アリスは申し訳ないと思って、髪の毛を手櫛で直す。 「ありがとう。アリス。優しいね。」  アリスは水の中に落ちたくなかっただけで、優しくするつもりはなかった。  そんなアリスたちの横を動物が何匹も通り過ぎて行く。 「チェシャ猫! 何してんだよ! ドードーが呼んでるぞ!」 .
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