敵の敵
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高橋の手の平からは少量の血が流れ落ち、床で小さな池になった。撃ち抜かれた時に飛び散ったトランシーバーの破片に手の平を切られていた。 血にまみれ、傷口も見えない赤い手の平に焼けるような痛みが走る。 呼吸と瞬きを繰り返す高橋は、怪我をしていない左手でトランシーバーを取ったが、完全に壊れている。 何を試してもノイズすら聞こえない。パチパチと火花が散るだけだった。
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