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「ありがとう。
あれ以来、こうしてちゃんと話をするの初めてだね。」
私は黙って頷いた。
「もう、一人暮らしには慣れた?」
「はい。」
二人の間に沈黙が流れる。
思い残すことないように、何か話さなきゃと思えば思うほど言葉が出てこない。
「おーい、木原!
最後にみんなに挨拶しろ。」
部長が向こうの席から大きな声で木原さんを呼んだ。
「はい、今行きます。
…それじゃ、元気で。」
「木原さんも、…お元気で。」
こうして、私達は最後のお別れをした。
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