プロローグ

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もう数日、かなりの距離を歩いていた。 強い日差しも手伝い、普通の者なら、疲労はとっくにピークを迎えていたが…。 「ふぅ~…あの木陰で少し休むか…」 袈裟掛けに担いだ布のバッグ一つ。 これが彼の荷物であった。 大きな木に背中をもたれて座り、そのバッグから取り出したのは、 マルチビタミンのタブレットと、小さな水筒。 それを口に含み、涼しい顔で遥か遠くを眺める。 彼はどうやら旅慣れており、余程の訓練を受けてきたものと思われる。
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