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「お茶です、わかりますか?」
「……ごめんね、見えない」
「手、貸してください」
女は僕の手を取るとコップにそって触れさせ、掴ませた。
冷たいけど氷は入っていない、僕はそれを少しだけ口に含んだ。……普通の麦茶だ。
自分は今どこを向いているんだろうか、少なくとも女の方には向いていないと思う。なんとなく。
「あなた」
「なに?」
「プリント」
「……そうだったね」
そういえば鞄どこに置いたんだろう、椅子に座らされた時には持ってなかったから床に落としたか?
足を動かして鞄を探していると僕より先に女が見つけたようだ。
「プリント、どれですか?
このファイルの中、ですか?」
勝手に開けるな。
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