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「……。何の話かな?
……ハムスターが、どうかしたの?」
「私の前で、そんなフリしなくてもいいですよ。
何で、殺したんですか?
ずっと気になっていたんです、あなたのその行為の意味」
「……君の名前は?」
「琴音。周藤、琴音」
その名前が僕の人生でいつどこで登場したか、記憶をさかのぼる。走馬灯を巻き戻しするような感覚で記憶の中を逆走、走りつづけた。
『私は春がだいすきです!春は、やさしくて温かいんです!だから私もそういうヒトになりたいんです!』
「あ……」
いた、確かにいた。
周藤琴音という人物は確かに僕の人生に登場していた。
僕が余りにも短時間で歪み始めたからか、そういった同級生の事なんてこれっぽっちも覚えていなかった。
「あなたがあの子を連れて帰ったのも、お腹のつぎはぎを隠そうとしたのも、私知ってるんです」
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