春 Ⅱ

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そして今どういうわけかA子と最近できたばかりのカフェにいる。 行きたいからついて来てと言って嫌だという前にはもう腕を捕まれていた。 早くハルの所にいきたいのに。 「でね?くー太郎って私の事大好きだから」 ぺらぺらと楽しそうに飼いはじめたペットの犬についてを話すA子、そんな話なら僕じゃなくてもいいだろうに。 ああ、へぇ、うん、そうなんだ の4種類の返事でこの女は大体満足する。頬杖を突いて僕はグラスにたっぷり入ったアイスミルクティーの氷をストローでつつきながら生返事をしていた。適当に満足させてすぐにでもカフェから出ようと思っていたのに 少し、予定外の一言。 「ねぇ、最近私の話ちゃんと聞いてないでしょ!」 ああ、めんどくさい。
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