序章

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そんな気分で朝食を済ませ 昨日母親に捨てるように頼まれたゴミを片手に持ち、学校へと出かけた。 扉を開いたのと同じタイミングでお隣りさんの扉も開く、黒く長い髪にやつれた顔。 僕と同じく青いゴミ袋を持つ白い腕の痣は多分昨日よりも酷くなっている。 そして僕は挨拶をする、何も知らないかのように。 「ああ、おはようございます」 「おはよう、今日入学式よね? お母さんは?」 「夜勤なので出てこれないんですよ、よければ来ますか?」 「ふふ、行きたいわねぇ」 当たり障り無い会話、無理矢理作った笑顔……バレてないとでも思っているのだろうか?
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