序章

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自分が周りとは少し違うと思い始めたのは小学6年生の時だ。 クラスの皆で飼っていたジャンガリアンハムスターが死んだ時、皆は悲しんだ。女子は女子同士で抱き合い慰めあい、男子は俯いて泣き声を押し殺していた中僕だけは何もなかった。 先生も皆も強がらなくていいなんて言っていたけど、涙なんてでるはずが無い。 だって、僕が殺したもの。 皆が涙を流したその日の前日 僕はハムスターを持ち帰り、果物ナイフを使って腹を裂いて中を出し、縫った。 何でそんな事をしたか 幾つか理由があったと思うけど、覚えているのは2つ。 生き物の中身と昨日まで動いていたものが今日動かなくなったら皆どういう反応するのか気になったからという、幼い好奇心だったと思う。残虐なんだろうが。
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