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僕は腹のがたがたな縫い目を見せたくなかったから、ハムスターの墓は僕が作ると言った。
そうしたらやっぱり泣かないのは強がっていて、動物の墓を作ってあげると言える優しい心の持ち主なんだと勘違いされ、人望が厚くなった。
僕はただ自分のやった事に蓋をしようとしただけなのに。
「おーい!」
後ろから声をかけられて僕の回想はそこで終わる、振り向けば中3の時のクラスメート。
名前、なんだっけ……。
「あ、おはよう。久しぶりだね」
「何言ってんの!こないだも会ったじゃない!」
「そうだっけ?忘れちゃったよ」
「も~そんな酷い冗談言ってると拗ねるよ?」
本当の事言っただけなのにこの女は冗談ととらえた、しかも笑顔。また僕は好感を持たせてしまったらしい、だるい。
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