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煙草にライターで火を点けると窓が勝手に開いて、窓の外に向けていた視線をバックミラーに移せば顔をしかめる奏次の顔。 「禁煙だぞ」 そんなこと言ったって灰皿だってちゃんとあるくせに。 「しょうがないでしょ、お客さんの前で吸えないんだから」 「…はいはい」 咎められても悪ぶれもせず煙草を吹かす私に、バックミラーから呆れた視線を投げかけ、車用の灰皿を渡してきた。 「……」 呆れるのはこっち。 灰皿の蓋を開ければ、そこには私の煙草しか入っていない。 他の女の子が奏次の車に乗らない訳じゃないし、煙草を吸う女の子も何人も居る。 優しいのか、甘いのか。 奏次の私に対する態度は今に始まったことじゃない。 6つ年上の所為か、18になった今でも妹扱いは変わらない。 .
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