慶応4年 3月某日

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「なにをしていらっしゃいます、沖田さま!そんな格好ではお体に障ります!」 「静さん」 気が付くと、薬湯を手にした女性がこちらへ小走りで寄ってくる。 「大丈夫ですよ。今日は調子が良い」 「雪が降ってるんですよ!?調子が良くても、油断は大敵です!・・・・・・はい、これ羽織って下さい」 そう言って、静は厚手の半纏を沖田の肩に掛けた。 「ありがとうございます。でも、病が移るといけません。あまり近くには寄らないように」 「そんな!労咳だからといって必ず移るとは・・・・・・」
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