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「そんなの怪しいに決まってるじゃん‼
いい年してこんなの信じてどうするんだよ‼」
【仲間千波:なかま ちなみ】
旧姓【坂田千波:さかた ちなみ】の、相変わらず歯に衣を着せぬ言い方に私は少しイラついた。
「そんなの、言ってみないと判らないよ…。」
言った瞬間に後悔した。
千波の形相が変わったからだ。
「依城美波。
あんたが本当にそう思ってるなら、私は止めないよ…。
ただ、私にこの広告を見せた時点で、
依城美波は、止めて欲しいんだと思うのだけど違う⁉」
【依城美波:よりしろみなみ】
つまり私の事だが、千波は本気で怒るとフルネームで私を呼ぶ。
ちなみに、夫婦喧嘩の時も千波は、旦那の事をフルネームで呼ぶらしい。
仲間部長に先日聞いた時には笑えたが、今は笑えない…。
仲間部長は私の上司にあたる。
【仲間俊輔:なかま しゅんすけ】
彼は、私と千波の先輩社員だった。
千波は私の会社の結婚退職第一号だった
。
眉目秀麗で会社で出世頭だった仲間俊輔は、女子社員の憧れだった。
そんな彼を、努力なしで、いとも簡単に射止め結婚したのが私の友達の旧姓:坂田千波。
現在は、仲間千波であり、私の目の前に鎮座し、私を叱りつけている女性だ。
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