プロローグ

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「…3時に騎士、6時に僧侶、9時に盗賊、12時に聖者…」 漆黒のローブを身にまとい、フードを目深に被った者が4人。 一言一句違わずに発せられる言葉。 「満月の夜に咲くブルームーンの魔力によりて、今ここに異世界へのゲートを開く。」 4人の囲む魔法陣に光が燈る。 「我らが言を以って今ここに召喚を完了する。」 同時に陣の中央に置かれたブルームーンの花、12時の位置に置かれた聖者の像、9時の位置に置かれた盗賊の像、6時の位置に置かれた僧侶の像、3時の位置に置かれた騎士の像がそれぞれ灰を残さず燃え上がる。 かっと、辺りをまばゆい光が包み込む。 光がおさまると、魔法陣の上には人が倒れていた。 「せ、成功だっ!」 一人が喜び声を上げる。 それを境に、皆が手を取り合い喜びの声をあげた。 「だー、うるせーっての!! って、いてて…」 唐突に上がった声に4人の動きがピタリと止まる。
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