124人が本棚に入れています
本棚に追加
「…3時に騎士、6時に僧侶、9時に盗賊、12時に聖者…」
漆黒のローブを身にまとい、フードを目深に被った者が4人。
一言一句違わずに発せられる言葉。
「満月の夜に咲くブルームーンの魔力によりて、今ここに異世界へのゲートを開く。」
4人の囲む魔法陣に光が燈る。
「我らが言を以って今ここに召喚を完了する。」
同時に陣の中央に置かれたブルームーンの花、12時の位置に置かれた聖者の像、9時の位置に置かれた盗賊の像、6時の位置に置かれた僧侶の像、3時の位置に置かれた騎士の像がそれぞれ灰を残さず燃え上がる。
かっと、辺りをまばゆい光が包み込む。
光がおさまると、魔法陣の上には人が倒れていた。
「せ、成功だっ!」
一人が喜び声を上げる。
それを境に、皆が手を取り合い喜びの声をあげた。
「だー、うるせーっての!!
って、いてて…」
唐突に上がった声に4人の動きがピタリと止まる。
最初のコメントを投稿しよう!