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「ったく、何なんだ。
騒がしいな…」
痛む頭を押さえ、魔法陣の上の黒髪に赤眼を持つ少年は身体を起こした。
辺りは薄暗く、明かりは燭台に燈した蝋燭のみ。
かろうじて解るのは、部屋の隅に乱雑に置かれた物。
正面には階段。
少年は目に見える情報からここが地下室なのでは、と推測する。
「いったい何なんだ、ここは?
俺は確かゲーセンで遊んでたはずなんだが…
ん?」
辺りが薄暗くすぐには気付かなかったモノに気付く。
漆黒のローブに身を包んだ人間が4人が、こちらを見ているのだ。
「うわ、なんなんだお前ら!?
変人かっ!?」
少年は叫ぶと、座ったままザザッと後ずさる。
【光よ…】
一人が手をかざし、言葉を紡ぐと、ぽぅと手中に光の玉が出現する。
光の玉は意志があるかのように、すーっと部屋の中央まで行くと、輝きを増した。
「あらあら、変人とは失礼ね。」
光の玉を出した人物はフードを取ると愉快げに笑う。
「は?え?は?」
少年は突然出現した光の玉への驚きと、ローブの変人の一人が女性だったことへの驚きで意味不明な言葉を発した。
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