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「こんな美人を捕まえて、それはないんじゃないかしら?」
「あ、はい。
これはすいません…」
自分で言うだけあり、漆黒の長髪を切り揃えた女性は美しく、少年は思わず謝ってしまう。
「って、そーじゃなくっ!!
あんたら一体何なんだ?
人をこんなトコに連れて来て!?
ん?
連れて来て?」
少年は自分の行動にツッコミを入れると、不可解な現状を思い出した。
「ふふふ、ごめんなさい。
とりあえず自己紹介から。
私はオフリア・ヘイエルと申します。」
女性はオフリアと名乗ると、少年に向かって優雅に一礼する。
「っと。
これはご丁寧にどうも。
俺は紅神 光真(あかがみ こうま)だ。」
礼儀として立ち上がると、オフリアにならい、光真も一礼してみせる。
「紅神 光真さんですね。
さて、先程の質問ですが…」
オフリアは悪戯げに微笑み、人差し指を唇に当てる。
「連れて来たわけではありませんが…、あなたを喚んだのは私たちです。」
「…喚んだ??」
オフリアの言葉の妙な響きに、光真は思わず聞き返した。
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