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「今……アンタ何て?」
「私も耳が悪くなったみたいです、何か聞き慣れない言葉が……」
「いえ……だからダンボールあります?」
「……何に使うの?」
「寝床の確保です」
「あかぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「きゃっ!!」
おばちゃんがいきなり吠えた……。
「何!?その不健康な寝床!?そんなんで安眠出来ると思ってるの!?」
「あ、意外に寝心地良い……」
「んな事言ってんじゃないのよ!!」
ビシッと人差し指をコチラに向けおばちゃんが尚、熱く語る。
「アンタは今、成長期なの!!そんな大切な時期にそんな不健康な場所で寝ちゃ駄目!!」
「でも……そしたら僕寝床が……」
「今、大輔ちゃんが手配してる筈だから」
「所長~」
噂をすればなんたらやら。
「あ、大ちゃん」
「ほらね」
「あ、はい……」
大輔さんは走って来たのか、肩で息をしながら僕達の目の前で止まった。
「し…所長……」
「どうしたですか?」
「そちらの……ひかるさんの住居なんですが………」
ふぅ~っと深く息を吐いて大輔さんは続けた。
「どこも空きがありません」
「へ?」
「そんな……」
「ほらね……やっぱりダンボール貰………」
「そうだ!!」
……そんなにダンボールくれないんですか?
「私のお家に来れば良いんだよ~、やっぱ私って良い人~」
はい?
所長さんの……家?
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