Cell Train

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チャポン ふ~ 疲れがいっきに消えた気がする、流石お風呂。 ちゃんとしたお風呂なんて何年振りだろう……。 商品として出される前に綺麗にって事で入ったのが最後かな? じゃあ半年前だ。そこから後は雨水を浴びたりしてごまかしてたから……。 「ふ~」 つい、うとうとしてしまう。 「泡泡~、疲れてるみたいですね」 一緒にお風呂に入ってる所長さんは、現在浴槽から腕を出す感じで僕によって髪を洗われてる所だ。 本当に綺麗な髪…羨ましいなぁ…… 「疲れてると言うより……少し気が抜けましたね」 「……?何でですか?」 「所長も大輔さんも、おばちゃんも、皆優しい人だからですよ」 「当たり前です!!皆助け合って生きてくんですよ!!」 「うん……そうですよね」 でも…僕の家族は違ったんだよ所長さん。 そんな言葉が出かかったが、止めた。 今は楽しい時、そんな時にあんな奴等の話をしても気まずくなるだけ。 だから止めた。 「はい、流しますよ」 「うにゅ~気持ち良いです~」 そう言えばさっきから所長さんは気持ち良さそうな顔で小動物チックな声を出してる。 「あ!!」 「どうしました?」 「め、目に石鹸がぁ~」 「あ、すみません!!」 急いで所長さんの目の辺りの石鹸をシャワーで流す。 ボーッとしてたらいつもこれだ……。 やっぱり僕は駄目なのかな?
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