Cell Train

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チャポン 「ふぅ~、極楽です~」 「ふふ、オジサンみたいだね」 「私はオジサンじゃないです!!」 「判ってますよ……きゃっ!!」 所長さんが、いきなりお風呂のお湯をかけて来た。 「所長……さん?」 「えへへ、私をオジサン呼ばわりした罰ですよ」 「じゃあ僕も……それ!!」 「うあっ!?やりましたね~!!」 バシャバシャと水しぶきが行き来する浴槽。 楽しい……こんなに楽しいのは初めてだ。 あの街じゃ、こんな楽しい事は絶対無い。 「こうなったら……こうですよ!!」 「きゃっ!?」 ざっばぁぁぁん!! 激しく水が打ち付けられる音。僕にいきなり飛び掛かって来た所長さんによる物だ。 「しょ……所長さん!!」 「ふぇぇぇぇ、鼻に水が入りました~」 けほけほとむせる所長。 「ふふ……」 「あ、笑いましたね!!」 「あ、すみません…でも………くくっ…所長さん、ぷっ」 駄目だ、限界………。 「あはははははは!!」 「そんなに笑わないで下さいよ~」 「あ……すみません」 「まぁ、楽しいそうなので許しますけど……楽しいですか?」 「はい!!凄く楽しいですよ」 これだけはハッキリ言えた。 そう、僕は今楽しんでる。 「楽しそうだな~」 「ふぇ?」 「へ?」 お風呂の扉を見る。 「俺も仲間に入れて下さいよ~」 大輔さんが顔面をガラスに付けコチラにそう訴えていた。
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