28人が本棚に入れています
本棚に追加
チャポン
「ふぅ~、極楽です~」
「ふふ、オジサンみたいだね」
「私はオジサンじゃないです!!」
「判ってますよ……きゃっ!!」
所長さんが、いきなりお風呂のお湯をかけて来た。
「所長……さん?」
「えへへ、私をオジサン呼ばわりした罰ですよ」
「じゃあ僕も……それ!!」
「うあっ!?やりましたね~!!」
バシャバシャと水しぶきが行き来する浴槽。
楽しい……こんなに楽しいのは初めてだ。
あの街じゃ、こんな楽しい事は絶対無い。
「こうなったら……こうですよ!!」
「きゃっ!?」
ざっばぁぁぁん!!
激しく水が打ち付けられる音。僕にいきなり飛び掛かって来た所長さんによる物だ。
「しょ……所長さん!!」
「ふぇぇぇぇ、鼻に水が入りました~」
けほけほとむせる所長。
「ふふ……」
「あ、笑いましたね!!」
「あ、すみません…でも………くくっ…所長さん、ぷっ」
駄目だ、限界………。
「あはははははは!!」
「そんなに笑わないで下さいよ~」
「あ……すみません」
「まぁ、楽しいそうなので許しますけど……楽しいですか?」
「はい!!凄く楽しいですよ」
これだけはハッキリ言えた。
そう、僕は今楽しんでる。
「楽しそうだな~」
「ふぇ?」
「へ?」
お風呂の扉を見る。
「俺も仲間に入れて下さいよ~」
大輔さんが顔面をガラスに付けコチラにそう訴えていた。
最初のコメントを投稿しよう!