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僕は、何の為に産まれて来たんだろう…………。
あの親に虐められる為?殺される為?男に犯される為?
もう……嫌だ。
だから逃げ出した。
家から、街から、自分から…。
そして……今この荒れ果てた大地に居る。
「どうしよう……」
逃げ出した矢先、もうあの街には戻れない。戻ったとしても、またあの親に何をされるか判らない。
前途多難、八方塞がり、万事休す。
今ならこの言葉が全部僕に当て嵌まる気がする。
それくらい…未来が絶望的なんだ。
辺り一面砂漠、街の影無し。当然人の姿も無し。
家を出て早3日……食べ物も底を尽き、水も後数滴。
改めて思う。
僕は何の為に産まれたんだろうって………。
もう死ぬのも覚悟した。足が自然と崩れ、熱い砂漠の砂に倒れ込んだ。
遥か頭上で、禿鷹が僕の死ぬのを待っている。
そんなに慌てないで……もぅ、時間の問題だから。
はぁ~、にしても……。
僕の人生、結局楽しい事なんて無かったな……。
なんて、過去を振り替えっていると………。
ポォォォォォォォォォ!!
遠くから汽車の汽笛の様な音が聞こえて来た。
あぁ……きっとあの世からの迎えだ……。
僕は目を閉じ、自分の運命を受け入れた。
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