Cell Train

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「ところで所長さん……この猫どうします?」 「う~ん、こんなに人に懐いてるって事は、飼い主が居るのかな~」 「にゃ~、にゃ~」 「「違う」って言ってますよ」 「お姉ちゃん……猫ちゃんの言葉判るの?」 「鳴き方でだいたい否定か肯定か判るだけですよ」 「ふ~ん、じゃあこの猫ちゃんは人の言葉判るんだ」 「んにゃ」 「「そうだ」だそうですよ」 「ん~、取り敢えずおばちゃんに相談しに行こうよ」 「そうですね……」 「大ちゃ~ん、そろそろ行くよ~」 「…………」 俯せで倒れて涙の湖を作ってる大輔さん。 「しょうがないな~、お姉ちゃん」 「はい?」 「耳元で「お兄ちゃん、起きて」って言って来てよ」 「あ、はい……」 お兄ちゃん……?本当にこんなので起きるの? 「お兄ちゃん、起きて……」 大輔さんの耳元でボソッと呟く。 あんまり大きな声だと耳痛くしちゃうから………。 「妹よぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「きゃっ!!」 いきなり抱き着いて来た大輔さん。 な、なんなの!? 「妹よぉ~………あれ?」 「大輔さん……離してください…」 「あ、すみません」 僕から離れ身体に付いた埃をほろう大輔さん。 「やっぱ予想通りの威力ね」 「にゃ~」 所長さん、もしかして……こうなる事判ってました?
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