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「あ、思い付いたです!!」
「そう…ですか………」
「う~ん?浮かない顔してますね~」
「いえ……名前には良い思い出が無いので」
「そうですか…でもこれならきっと気に入ってくれるです!!」
「どんな感じになったんですか……?」
「ふっふっふ……じゃーん!!」
女の子は先程の本に名前を書いたらしく、それを僕に見せて来た。
[曽根川ひかる]
そう本には書いてあった。
「これが……僕の名前?」
「はい!!曽根川はある人と同じ苗字です!!ひかるはそのまんま、光り輝く人に……って何泣いてるんですか!?」
「ひっく……ぃゃ…何でも……っく……」
暖かい。こんな暖かい感じは初めてかも知れない。
名前を貰っただけなのに、こんなに暖かいなんて……。
「名前って…っく……こんなに、ひっく……暖かいんですね」
「泣かないで下さいよ!!これじゃ私が悪者みたいに……」
プシュー
女の子が喋ってるのを遮る様に空気の抜ける音と共に扉が開いた。
現れたのは長身の眼鏡を掛けた男の人。
これまた、女の子と同じ服を纏っている。コチラの人はビシッと着こなしているが。
「所長、少しお話が……」
「あ、大ちゃん!!」
僕と女の子をそれぞれ見た後、男は溜め息を付き。
「……所長駄目ですよ、来客人を泣かせては」
と、女の子を馬鹿にする様に言った。
「これは違うです大ちゃん!!」
現れた男に頬を膨らませ手をグルグル回して必死に抗議する女の子。
それを片手で止めてる男。
なんか……楽しそう。
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