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「それで、そちらの方は?」
「あ、え~と曽根川 ひかるさん!!なんか倒れてたから拾って来たですぅ!!」
「曽根川……って所長」
「だぁ~って~他に思い付かなかったんです~」
頬を膨らませ男に講義する女の子。
「はぁ~、まぁ良いですけど」
男は帽子を取り女の子から離れた。
「初めまして、曽根川 大輔です、セルトレインの車掌をやらして頂いてます」
「へ?曽根川……」
女の子が言ってたある人って……。
「すみませんね、所長が勝手に……気に入らなかったら、どんどん所長に文句言って良いですよ」
ニッコリと笑顔で手を差し出して来た大輔さん。
「これは……?」
「握手ですよ、私は初めて会う人には全員やってますので」
「あ、はい……」
差し出された手を握る。
暖かく、それでいて優し手。
「そう言えば……さっきから所長って……」
「あぁ、また忘れてました!!」
再び敬礼のポーズをする女の子。
「私が、セルトレインの車掌兼所長ですぅ~!!」
へ………?
こんな子が?
「君みたいな…チビっ子が……?」
「チビっ子って言うなですぅ!!」
腕を振り回しポコポコと僕を叩いて来る所長さん。
それを見て笑っている大輔さん。
痛く無い……逆に心地良い。
「ちょっと…判りましたから止めて下さいよ」
「あ」
何か見付けた様な声をあげ、僕の顔を除き込む所長さん。
「?」
「やっと笑いましたね!!やっぱり笑顔は大事です!!」
へ?僕が……笑った?
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