初恋

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侑介の笑顔が綺麗過ぎて、見ていられなかった。 体中の血液が全て顔に集まったみたいに火照り出す。 意味が分からなかった。だって私の好きな人は水瀬君だ。 今までも不良っぽい異性にしか興味を惹かれなかった。 なのに、侑介みたいなどこを切り取っても真面目でパーフェクトな異性に惹かれているような事などあるのか。 「ははっ、なんだそれ!それで攻撃してるつもりか?」 侑介は楽しそうに笑い出す。 口より先に手が出る私は、笑う侑介の頭を叩いた。 「わっ」 一瞬怯んだ侑介だったが、直ぐに椅子から立ち上がって私の頭を叩いてきた。 「お仕置きだ」 そのまま私達は、誰もいない教室でじゃれあうような叩き合いを続けた。
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