プロローグ

9/9
前へ
/79ページ
次へ
その視線に気づいたエホードは悲しい顔をしながらカイルと目線を合わせ事情を説明した 「こんなことでしかお前を守れない俺を許してくれ」 話を全て聞いたカイルは目を見開きその瞳には涙が溜まっていた エホードはカイルを力強く抱き締めるとカイルはその肩にしがみつき泣き始めた 少しの間そうしていたがエホードはカイルを自分から剥がしてヒクスの方へ押して頭を下げた 「カイルを頼む」 その様子を直ぐ近くで見ていたヒクスは微笑み黙ってカイルを受け取った 「カイル」 名前を呼ばれ止まらない涙を隠すことが出来ないカイルは泣きながら父親をみた 「元気でな」 いつも威厳があった父親が涙を浮かべていた 「父さん!おれ、つよくなる!ぜったいつよくなるよ!」 「あぁ」 たまらなくなって叫んだカイルにエホードは微笑みを浮かべると転移で去っていった その後フォン家ではカイルが突然消息不明になったと騒ぎになった
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

577人が本棚に入れています
本棚に追加