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かおる「ノートは受け取りました」
神木さんの母「…!あの子…渡せたの?」
かおるは神木さんのお母さんに、神木さんからノートを受け取り彼が作った話を最後まで聞いた事を伝えました。
神木さんの母「そう…
そうだったの…
よかった…それだけが心残りだったの…
あまりにも、道の途中だったように思えてね…
そうだったの…
…あっ、そのノートは、あなたが持っていて。あの子もきっとそれを望んでる。
私は"向こう側"で聞かせてもらうから…
ふふ…また楽しみが一つ…できちゃったな。」
神木さんのお母さんはベンチからゆっくりと腰を上げ、かおるに会えて嬉しかった、ありがとうとお礼を述べました。
神木さんの母「…ね、最後にオバサンからのお節介。
…大切な人を、大切にしてね。
"時"が来てからじゃもう遅い。冷たくなった体にすがっても、もう遅いのよ。
…生まれたものは、いつか死ぬわ。
秋成や…私、あなただけじゃない。みんな等しく、死んでいく…だからその前に…
何を為さなくてもいい。立派な功績なんていらない。
ただ、あなたが大切な人を、大切にしてあげてね。
私達はみんな、生まれた悲しみを背負った者同士…ぬくもりや優しい気持ちを与え合えるはず…
あなたもきっと、誰かに大切なものを与えられる…それを忘れないでね…」
そうして神木さんのお母さんは、振り向かずにその場を立ち去りました…
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