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かおるとアイギスが"約束の場所"へと向かっていた一方その頃、月光館学園高校の大講堂では卒業式が厳粛に行われていました。
在校生の送辞が終わって、卒業生代表として美鶴先輩が壇上に上がり、答辞を述べ始めます。
美鶴先輩「学園で過ごした最後の年は、私にとって大役を拝命しての1年となりました。
生徒会長の任を果たすにあたり、私は考え、1年前のこの壇上で、皆さんに言いました。
未来の時間には限りがあるという事から、目を逸らしてはいけないと。思えばこれを考える機会を与えられたのは運命だったのかも知れません。
ご存知の方もあると思いますが、私は昨年、父を…
父を…病で失うという、試練に…
病で…失った…?」
卒業生の男子「珍しいな。あの人がスピーチつっかえるなんてさ。」
いつもなら完璧なスピーチを披露する美鶴先輩が言葉を失っている様子を見て、生徒たちがざわめき始めます。
そして、その中の数名の生徒が…美鶴先輩の様子に息を飲んでいました。
真田先輩「…ッ!!俺は…俺たちは…!」
ゆかり「あれ…私…大切な事…」
風花「あ…私…私…」
順平「そうか…思い出した!
"約束"…!」
美鶴先輩「思い出した…そう…私は父の死に触れ、一度は生きる意味さえ失いかけた…でも今は違う…父の遺志は私が受け継ぐ。未来から逃げない…必ず受けて立つ。
もう二度と、私は迷わない!何故なら…!
何故なら、私には大切な仲間が居て…」
真田先輩「美鶴!」
風花「私たち…!」
美鶴先輩「そして、どんな未来からも目を背けないと誓い合ったからだ!」
美鶴先輩は最後の一行を力強く叫ぶと、壇上から仲間たちのもとへと飛び降りました…
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