3月・エピローグ

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"約束の場所"… 学園の屋上へ先に来ていたアイギスとかおる。 うららかで暖かい光の中、かおるはアイギスにひざ枕をされながら春の風を感じていました。 アイギス「風、気持ちいいですね… わたし…"春"をこうやって体験するの、始めてです。 でもこの季節も、やがて過ぎて行ってしまうんですね… あなたと一緒に戦って…"世界の終わり"と向き合って…わたし…ようやく、少し分かりました。 わたしの探していたもの…"生きる"って、どういう事なのか… それは多分…逃げないできちんと考えること… "終わり"と向き合うこと… どんなものにも、必ず終わりが来る… どんな命も、いつかは消えてしまう… それが自分にも来るっていう事を見つめた人だけが、きっと分かるんです… 自分が本当に欲しいもの…生きる証が、何なのかって事が。 自分の力が足りないって思った時、悔しくなった訳も…今なら分かります。 守る事は…もう、わたしにとって、"与えられた役目"じゃなかったんです。 いつの間にか、わたし自身の望みに変わってて… "滅び"と向き合うって決めた時、はっきり分かったんです。 二度とあなたに会えなくなるって想像したら…自分の望んでる事が、初めて分かりました。 だから、わたし…決めたんです。 わたし…これからもずっと、あなたを守りたい。 あなたの力になりたい。 こんなの、きっとわたしじゃなくたって出来る事だけど…でも、いいんです。 その為なら、わたしはきっと、これからも"生きて"いけるから… ありがとう…」 かおる「泣かないで」 アイギス「そうですね、おかしいですね。せっかく、大切な事が分かったのに、こんな…」 「おぉーい!!」 下の階から、聞き覚えのある声が…恐らく順平が、叫んでいるのでしょう。 アイギス「皆さん… そうですね…わたしには、絆を結んだ人たちが居る… きっと、ありふれた事でいい…大切な誰かのためにって、思えること…それだけで、人は、生きていけるんですね… わたしも、"生きて"いけます…あなたを守るためなら…」
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