幼少期

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そんな時、急に引っ越すことになった。今までは借家に住んでいたのだ。父、母、祖父、祖母、妹の6人暮らし。借家は一階建てで皆で布団を敷いて寝ていた。リビングにはお気に入りのソファー、和室には大きな仏壇。庭には沢山の車、その中の一つ、真っ赤な乗用車は私のお気に入りだった。あとは妹と遊ぶ為の二人乗りのブランコ、夜には蛍が飛んでいた。私は大好きなのど飴をいつも持ち歩いていた。 そんな思い出が沢山詰まった家を出ることになった。場所はそこから車で10分程。一軒家だった。山を切り開いて建てられている集合団地はとても見晴らしがよかったのをよく覚えている。今度は二階建てで、屋根裏部屋までついている。しかも、私と妹に部屋を与えてくれた。二人で一つの部屋を共用する事になったが、部屋が広かったから別に問題はなかった。そこに新しい二段ベッド、新しい机を二つ。とてもわくわくした。ちなみに隣の部屋は父と母の、一階の和室には祖父と祖母の部屋になった。 新しい友達も出来た。 斜め下に住むスポーツ万能な女の子。お気に入りの真っ赤なワンピースをきて母親と一緒に挨拶に行った。 でも、新しい家に住んだからといっても幼稚園は変わらなかった。登校拒否は続いたが先生や友達の説得もあって少しずつではあったが行くようになった。 そんなある日、事件が起きた。
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