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「さーくーらー、さーくーらー。かーすーみーかーくーもーか」
城内に美しい歌声が響く。
「出来た!」
歌っていたのは小さい女の子だった。
その子は目当てのものを作り上げ、ある人に渡しに行く。
その人とは……
「はいっ、父上」
「おっ、上手に出来ておるなぁ、濃はどんどんお針子が上手くなっていくなぁ」
女の子が作ったのは中に綿が詰めてあるお人形。頭には男の顔が縫ってある。
自分の父の顔を縫ったのだ。
「そなたには日本一の殿を娶ってやるからな、約束だ」
「父上が言う人となら誰とでも結婚するよ!父の言うこと何でも聞くからね」
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