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「ご無事で本当に嬉しい……父上もお喜びです」
「そうだといいが……」
信長の父・信秀は10年ほど前に死んでいた。
信長は悲しかった。その日信長はそれを紛らわすため朝から鷹狩りに行っていた。
しかしそれも楽しくない。
葬式に行く気にもなれず信長はただぼんやりしていた。
「葬式に行かなくていいのか?」と犬はそんな信長を心配していた。
「犬よー、俺は達勝の一件以来親父と一緒に義元を倒そうとして頑張ってた。俺は親父に勝ってもらいたかったんだよ」と信長は馬上で言う。
「俺は無念だ。あんなに義元を倒すのに一生懸命だった親父が死ぬなんて……俺一人じゃ親父の無念を果たせるかも分からねぇ……」
信長は途方に暮れていた。
しかし犬は、
「殿は一人じゃねぇよ。俺がいる。佐々もいる。勝もいるし、神野だって信長の味方だ。お前は信秀様に負けない立派な武将だよ」
そう言われた信長は……
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