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「主、敵はどいつだ…」
エルファレルと呼ばれる、ルビーを埋め込まれた獣が、ゆっくりと辺りを見回す。
青い宝玉を埋め込まれたサファレルと、藍の宝玉を埋め込まれたコバレイレル、金の宝玉を埋め込まれたトパゼイレルもエルファレルに並んで、レオンの言葉を待つ。
「マリア=ハイネだ。彼女を降参させれば良い。」
そう言い残すと、レオンが安全な距離まで下がる。
「わたしは、あなたたちにも、レオン様にも負けるつもりはありません。さぁ…掛かってきなさい!!」
マリアが力強く言い放つ。
「ほぅ…主にも、我等にも負けない…と。」
コバレイレルが、先ず精神的な事から攻める。
「そうよ!」
「お前みたいなちっぽけな存在は、主の命令さえ有れば、塵にしてもいいんだぞ?掛かってくるならそっちからにしたらどうだ?」
「わたし…負けない!」
マリアは体勢を低くすると、長刀を一振りする。
走っているためか、若干体か傾くが、直ぐに立て直し、長刀を確認する。
マリアの目線の先には、簡単に長刀を掴んで、ニヤリとわらうトパゼイレルが居た。
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