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刃の部分を持っていたのか、トパゼイレルの掌からは、血が止めどなく流れる。
「ちょっと痛い…な…」
トパゼイレルは苦しい表情一つせずに、ただプレッシャーを掛け続ける。
「…早くしてくれ」
レオンの命令が新しく出される。
「「「「御意」」」」
そういうと、コバレイレルと、サファレルが走り出す。
そして、レオンが、自らの魔武器の大剣を投げ上げる。
サファレルが柄をキャッチし、一気に刀を振り上げる。
「終わりです」
サファレルが静かに一言呟くと、一気に横に大剣を振る。
「ホーリーウォール!」
レオンが結界を張る。
「今降参するなら許してやってもいいが…どうする?」
レオンがマリアに優しく問い掛ける。
涙目になっていたマリアは、声を出すことが出来ないのか、コクコクと頷くばかり。
「サファレル、もういい。先生…マリアさんは降参と言うことでよろしいでしょうか?」
近くで見ていたリリアが、マリアの様子を見て、静かに頷く。
これがレオンのやり方。
相手をなるべく傷付けず、降参させる。
もっとも、相手からしてみれば、屈辱以外の何物でもないのだが。
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