セントアルバート魔法学園

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先読みが全く出来ない。 普通俺やブレイドは、相手の出方を伺ってから、遠距離攻撃か近距離攻撃かを決めて攻撃を始める。 だが、ギルは、開始の合図とほぼ同時に、遠距離魔法か近距離魔法かを繰り出す。 つまり、簡単に言うと、早すぎて時間が無い。 「とりあえずがんばれ。初めの一撃さえかわせれば、後はどうにでもなる。」 レオンがブレイドに耳打ちをしはじめる。 「ギルは、遠距離魔法を使うとき、右手がグーになる。近距離魔法なら反対のパーだ。たぶん、力の加減と繰り出す速さを追及したんだろうけど…この癖は試合開始前に一瞬だけわかる。絶対に目を離すな。」 「ありがとな、兄貴」 ブレイドがレオンの横を歩き抜け、レオンはリリアに次の相手を聞きに向かう。 「先生。次の俺の相手は?」 「レオンは…ファン=エリアスね。かなり危険よ?ファンは、翔属性に、無属性を組み合わせて使ってくるわ。速さは一級品よ。」 「先生。………僕が負けるとでも言いたいんですか?」 「そんなこと言ってないわ。ただあなたが思う以上に速く、強いって言いたいの。」
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