マナーモードは3時間っ!

10/31
前へ
/31ページ
次へ
「夕月……」   夕月は僕のもとまで歩いて来て、腕を掴んで立たせました。 「アキラ、行くよ」 「え、ちょっ……」 僕に何を言わせる暇も与えず、夕月は部屋から僕を連れだそうとします。 「ちょっと待て」 三好さんの声が、低く重く響きました。 「君たちが真犯人を見つけてくれるというのなら、そうしてもらおう。ただし、期限は3日だ。4日後の紅園祭までに見つけてくれないと、生徒会長がショックで紅園祭に出られないだろう」 続けて、坊主頭の男子生徒が言ってきました。 「もし見つけられなかったら、お前らが犯人ってことにすんぞ!生徒会長のためにな!」 「わかったわよ!その代わり、真犯人が見つかったら──土下座して謝ってね!土下座よ、土、下、座!」 夕月は、わざと大きな音を立ててドアを閉めました。 上級生の男子生徒相手に毅然と立ち向かう夕月が、素敵すぎました。 さすが夕月、僕に出来ないことを平然とやってのけます。 そこにシビレる憧れるゥと叫びたいところでしたが、それはやめておくことにしました。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加