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「夕月……」
夕月は僕のもとまで歩いて来て、腕を掴んで立たせました。
「アキラ、行くよ」
「え、ちょっ……」
僕に何を言わせる暇も与えず、夕月は部屋から僕を連れだそうとします。
「ちょっと待て」
三好さんの声が、低く重く響きました。
「君たちが真犯人を見つけてくれるというのなら、そうしてもらおう。ただし、期限は3日だ。4日後の紅園祭までに見つけてくれないと、生徒会長がショックで紅園祭に出られないだろう」
続けて、坊主頭の男子生徒が言ってきました。
「もし見つけられなかったら、お前らが犯人ってことにすんぞ!生徒会長のためにな!」
「わかったわよ!その代わり、真犯人が見つかったら──土下座して謝ってね!土下座よ、土、下、座!」
夕月は、わざと大きな音を立ててドアを閉めました。
上級生の男子生徒相手に毅然と立ち向かう夕月が、素敵すぎました。
さすが夕月、僕に出来ないことを平然とやってのけます。
そこにシビレる憧れるゥと叫びたいところでしたが、それはやめておくことにしました。
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