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生徒会室の横の階段を上がり、僕らは屋上にいきました。
普通学校の屋上なんて開いてないものですが──学園祭の準備の関係で、この期間だけ屋上は開放されています。
「夕月、大丈夫なの?犯人を見つけるなんて」
「ああでも言わなきゃ、アキラが犯人にされてたじゃない。私達で頑張って犯人を見つけるのよ!」
夕月は僕の前で、腕を振るようにしながら熱弁しました。
全く、良い人過ぎます。
「け、けどどうやって……」
「まずは聞き込みよ。生徒会長さんを恨んでた人がいないか、とか、怪しい人影を見なかったか、とか。できるよね?」
僕は黙って頷きました。
「じゃあ、放課後に聞き込み開始ね。5時になったら、一旦ここに集合しよ」
「う、うん」
夕月の協力は本当に嬉しいのですが──正直不安です。
本当に犯人が見つかるのでしょうか。
「アキラ」
夕月はそんな僕の肩に手を置いて、
「アキラは悪くないんだから」
と笑顔で告げました。
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