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屋上から下りる妙に小綺麗な階段を、二人でゆっくりと下って行きます。
その時の僕の心中は、犯人に対する怒りの気持ちよりも──夕月への感謝のほうがずっと強くみなぎっていました。
夕月は、「ダメもと」とは言いませんでした。
それはきっと、絶対に犯人を捕まえてやるという気持ちの現れでしょう。
そんなにまで犯人を捕まえようと張り切っている──もちろんそれは、愛流の正義漢も手伝っているのでしょうが──僕のことを心配してくれていることが、とても嬉しかったのです。
そんなことを考えているうちに、教室に着きます。
僕が自分の席に着いた瞬間、ちょうどチャイムが鳴りました。
授業中は、犯人探しなどもちろん出来ません。
けど、いつものようにケータイ小説を更新していれば、すぐに終わります。
その日も、あっという間に放課後になりました。
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