200人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後、早速聞き込みを始めました。
僕は学校の西側、新館のほうを。
愛流は学校の東側、旧館のほうへ聞き込みに行きました。
誰に声をかけるべきか迷っていると──
「はい、文化祭のチラシ!ビンゴ大会参加してねー」
威勢の良い男子生徒が、生徒会室で見たチラシと同じチラシを渡してきました。
どうやら、初めの5つの数字でいきなりビンゴになった場合、「オーストラリア7日間ペアチケット」がもらえるようです。
「あ、あの」
チラシの内容はさておき、僕は尋ねてみます。
「ん?どうしたんだい」
「あの、どう聞いたら良いかよくわかんないんですけど……生徒会長さんを恨んでる人は知りませんか?」
「えっ?どういうことだ?」
今まで笑顔だったビラ配りの人が、急に顔をしかめました。
「実は……」
事の経緯を説明します。
「なるほどなあ……。しかしそれなら、一人だけ心当たりがあるぜ」
「えっ、誰ですか」
僕は無意識に、一歩だけ踏み込んでいました。
「二年の軽間一平(かるまいっぺい)って奴だ。奴は生徒会長を恨んじゃいない、むしろ愛してる。病的なくらいな。ま、単純に言えばストーカーってことだ」
最初のコメントを投稿しよう!