マナーモードは3時間っ!

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休み時間。 後ろの席の女の子が喋りかけてきました。 茶色髪は肩まで伸びていて、毛先がくるんとカールを巻いています。 そして頭のてっぺんの髪だけぴんと跳ねた、おもしろい髪型の可愛い女の子──香坂夕月(こうさかゆづき)です。 「ねぇ、アキラ。今日の更新分見たけど……一之瀬はあの後どうなっちゃうの?」 夕月の目はキラキラ輝いています。 その楽しそうな目を見るのが、何よりの幸せでした。 「ふふふ……それは明日になってからのお楽しみだよー」 「まあ、そりゃそうだよねー。けどアキラ、ホント凄いよ。小説家になっちゃえばいいのに!」 いつもながらの明るい口ぶりで話す夕月を見ながら、自分の頬に手を添えました。 「いやいや、僕なんかより凄い人はいっぱいいるよ。そんなの無理だよ」 「ほら、『ダメもと』って言うでしょ?やってみなよ!」 「出たね。夕月の名言『ダメもと』」 「ちょっとー、馬鹿にしてんの、アキラ!」 夕月は笑顔で、僕の耳を引っ張ってきました。 こんな他愛もない日常が、僕は大好きです。 夕月が広めているのでしょうか──夕月以外にも僕の小説の読者は結構いるみたいで、たまに知らない人に声をかけられたりします。 めちゃくちゃ嬉しいです。 最高にハイってやつです。 けどその日──僕は、その大好きな日常を壊されました。 教室のドアが勢いよく開いたのです。
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