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辿り着いた場所は、生徒会室でした。
真っ白な壁と赤い絨毯──まるでどこかのお城のようです。
真っ白な壁の一部分には、文化祭のチラシが貼られていました。
この学校の文化祭最大の目玉、ビンゴ大会の景品である『オーストラリア7日間ペアチケット』の文字が一際目立っていました。
「座ってくれ」
そう言われた僕は、部屋の真ん中にある、赤紫色のソファーに腰をかけました。
座り心地は抜群です。
僕の向かい側に三好さんが座り、残りの人達は僕を取り囲むように立っていました。
「さて、聞き方を変えよう。君には『携帯電話を見えなくする』能力があるよね?」
「えっ、あっ……そうですけど。なんで知ってるんですか」
驚きました。
僕の能力のことを知っているのは、夕月だけのはずだからです。
「生徒会に一人、『他人の能力を感知する』という力を持った奴がいてね。この学校には君を入れて10人ほど能力者がいるんで、それぞれに能力名をつけている。君の場合、それが『シークレットマナーモード』というわけだ」
「はあ」
壊れた物を直すスタンドみたいな、何だかカッコいい響きに僕がきょとんとしていると、三好さんは体を前のめりにして──大きな声で尋ねてきました。
「単刀直入に聞こう。君は今朝8時頃、何をしていた」
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