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「…東中出身、涼宮ハルh…」
ぎゃーお!!やめて!せっかく治まったばかりなのにパロネタは勘弁して!そんな憂鬱を抱えた少女的自己紹介は勘弁して下さいぃぃぃぃ!!
「…というのは冗談で…
足名 瑠香(あしな るか)と言います。東京の方から引っ越してきました。皆さん、どうぞよろしくお願いします」
最後に軽く礼をし、少女…瑠香は自己紹介を締めくくった。
「ん、よし。なら後は席決めか。えーと、開いてる席は…」
言いながらぐるり、と教室を見回し、席を探す担任。
その光景を男子生徒達は固唾を飲んで、担任を凝視した。
「…お?なんだあそこがまだ開いてたな…よし、決まりだ。
足名、あそこの…えーとあの一番後ろの窓際で爆睡してる奴の隣が空いてるからそこ座ってくれ」
やがて担任が空いている席を見つけたのかピッと指で席を指差す。瑠香は席を確認すると返事をし、その席へと歩き、持っていた鞄を脇に掛け、座った。
「んだよ、バカ守の隣かよー…つかあいつこの騒ぎの中よく起きねーな…」
同時にクラスの何処かから瑠香の隣の人物のあだ名と状態が呟かれる。
瑠香はふと気になり、窓際へと視線を移した。
すると、そこには…
「…くぅ…ぐぅ…」
机に伏せつつ腕を枕にしながら顔を壁際に向け、熟睡している…一人の少年がいた。
髪は日本人らしい黒髪を少々ボサボサにしたもの。髪質なのか各所がツンツンと固まって伸びている。顔は…あまり良くは分からない。何故なら、物凄く厚い…そう、例えるなら牛乳ビンの底を切り出したかのようなレンズの眼鏡を着用しているからだ。だが鼻や口の作りは年相応の成長した男のそれであり、童顔では無い事が伺える。
体付きは…制服の上から見る限りでは細く、あまり力強そうには見えない。正直頼りなさそうである。
一通り観察した瑠香の感想は…
(…何か、ちょっとひょろそうな奴ね…)
であった。
「…ん、んぅ?ん、んあー…っ…」
瑠香が心の中で寸評を下したと同時。それまで机に突っ伏していた少年がゆっくりと目覚め、大きく伸びをした。
「…ん?あれ…?えーと…君は?」
少年は伸びを終えると周囲を見回し…そこでやっと瑠香の存在に気付いた。
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