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…都合良く、彼女は食事を終えて隣の部屋にいる。
───今、しかない。
隣の部屋へ行くため、席を立とうとしたその瞬間。
隣の部屋へ繋がる扉が開いた。
Eが、立っていた。
「─────────あ」
────目が醒めるように、我を取り戻した。
「…僕は」
「…?」
カラン、とハサミが落ちた。
「…鋏…?」
Eが不思議そうな声を上げた。
「すみません…」
「?」
「僕は今…貴方を殺そうとした」
「…………」
俯いている間は、Eがどんな顔をしているかも分からない。
軽蔑しているかも知れないし、優しく頬笑んでいるかも知れない。ゴミを見るような目をしているかも知れない。
それでも、事実を打ち明けた。
顔を上げる。
Eは頬笑んでいた。
「同じことを考えてるなんてね」
──Sに、銃口を向けながら。
「心配しないで。ちゃんと貴方も食べてあげるから」
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