不思議な男

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ある学校の同窓会。 ホテルのロビーを借り、そこには20~30人くらいの人間が集まっていた。 ほとんどの人間がだいたい40歳くらいだと見える。 同じ学年の同窓会なのだから、ほぼ全員が同い年であってなんら不思議は無い。 たまに極端に若い人間や老いた人間がいるのは、ホテルの従業員や当時の先生などだ。 いろいろな場所で、当時の話や、今は何の仕事をしているかなど、会場はざわざわと賑わってた。 「おい、アレ」 誰からでもなく、一人が会場の扉を指差す。 それに気が付いた周りの人間も会話を中断し、入って来た男を唖然と眺めていた。 しばらくすると、会場の中にいる人間は、ほぼ全員が男を眺めていた。 「……アレ?もしかして…会場…間違えてます?」 若い男はそう言って周りの様子を伺いだした。 その時、はじめに指を差した男が言った。 「お前…S…だよな」  
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