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「おお。あ、もしかしてお前Kか!?久しぶり!変わんねぇもんだなぁ」
「お前ほどじゃねぇよ…」
「えー!S君!?息子さんじゃなくて?」
「あ、Iさん?懐かしいなぁ」
会場が一気に騒がしくなる。
その会場にやってきたSは、当時の姿のまま、厳密に言えば20歳くらいの容姿のままだったのである。
誰が見たとしても、見間違うハズが無かった。
初めはそうして、Sを中心にざわざわとしていた会場も一段落し、また幾つかのグループになって、昔話に花を咲かせていた。
壁に一人で寄りかかるようにしているSに、一人の男が近寄った。
「よ」
「おおK。どした。Qちゃんとの思い出話はもういいのか?」
「元々そんなねーよ。それよりさ、どーしたんだよ」
「…この若さの秘訣、だろ?」
「そうそう。おかしいって言うのも変だけどさ、若作りにしたって出来すぎだろ?何かしたのか気にならないほうが変だ」
「はは、確かにな」
男は会場を見回した。
「そうは言っても、俺は何もしてないんだけどな」
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